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考えながら歩く吉備路(下)





■著者:薬師寺慎一
■仕様:A5判 並製本 オールカラー
■頁数:171頁
■定価:本体1700円+税
■ISBN:978-4-86069-234-6
■発行日:2009年7月23日
■内容:
造山古墳の被葬者はだれ?
考えながら歩くと
見えてくる…
ガイドブックにはない
「吉備」の世界

待望の下巻では、楯築遺跡から造山古墳
鬼ノ城、備中国分寺周辺へ

●目次
1 楯築遺跡とその周辺
2 造山古墳と庚申山
3 高松城から最上稲荷にかけて
4 足守と鬼ノ城
5 備中国総社宮の付近
6 備中国分寺の一帯
7 高梁川の西岸
8 小田川に沿って

● 著者プロフィル 薬師寺慎一(やくしじ・しんいち) 古代祭祀研究家。1924年生まれ。第六高等学校卒業、京都大学中途退学。岡山市内の中・高校社会科教員を経て退職。著書に『古代日本と海人』(大和書 房)、『楯築遺跡と卑弥呼の鬼道』『「吉備の中山」と古代吉備』『祭祀から見た古代吉備』『聖なる山とイワクラ・泉』(いずれも吉備人出版)。論文「古代 日本における冬至の日の出線」(大和書房『東アジアの古代文化』所収)、「即位式とカラス」(同)、「古代吉備国の中枢部と秦氏」(同)、「風土記に見え る女性首長」(倉敷新聞連載)、「祭祀から古代を考える」(同)など。岡山市吉備津在住

●「あとがき」より
  『考えながら歩く吉 備路』を書き終えて思うことがあります。それは、本書を読んでくださった皆さんと話合いができたらなあということです。だが、今日の社会では今日の社会で は読者と著者が直接話し合うという機会はありません。それが残念です。これが「あとがき」で一番言いたかったことです。
  余白があるので、本書で述べた要点を箇条書きにしておきます。
○神社では「特殊神事」に注意。備前吉備津宮の「お田植え祭」、備中吉備津宮の「御煤払い」など。こうした重要な「神事は暗闇で」。
○「神祭りの始まり」と「神社(社殿)の起こり」は別。社殿の起こりは古くはない。
○古い神社を調べる時、神社そのものに関わる手掛かりはほとんどない。木造で屋根は板や萱などだから、故に以下のものに注意。境内の神宮時跡(瓦から時代が分かる・神社を建てた人と被葬者の関係も)。その他、境内の泉・イワクラ・経塚などに注意。
○古代人は冬至(太陽復活の日)の太陽を祭った。「冬至の日の出線」に注意。
○その地域の最も聖なる山に注目する。吉備ならば「吉備の中山」。
○大きな神社の「主神」はたいてい中央的な神(人)。だが、もとはその地域の有力者を祭っていた可能性大。もとの祭神は格下げされて摂社・末社などに。
○「祈願」と「占い」は別。支配者(例えばヒミコ)は両方をしていたか。
○古い系図を持つ宮司さんの家は、地域の豪族・後期古墳の被葬者・廃寺の創建者と重なる。
○前方後円墳は吉備で起こったか。それも吉備の中山で。
○平安初期に山寺が建てられた山は以前からの聖なる山。
○仏像などが彫られた岩は以前からのイワクラ。
○石棺の石材(産地)は要注意。
○楯築遺跡は祭祀遺跡の上に首長墓が重なったもの。「複合遺跡」の視点が大切。
○河川の合流点には有力者が住む。
○造山古墳は列島最大(築造時点で言うべき)の前方後円墳。被葬者は応神天皇か。
○造山古墳の第二号墳は「地壇」か。
○古代の交通では水路(河川・海)を考慮に入れる。
○巨大な円墳の被葬者は渡来人か。
○「用水」は灌漑用のみでなく交通路でもあった。
○こうもり塚古墳の被葬者はとんでもない有力者か。
○黒宮大塚古墳は列島最古の前方後円墳か。即ち、前方後円墳は吉備で起こった。
○古代史を考える時、中国の宗教「道教」を考慮に入れる。

終わりに読者の皆さんが元気で古代史の勉強を続けられることをお祈り致します。


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