▼吉備考古ライブラリィ▼地域の歴史▼地域を知る
>>民話・むかしばなし
>>劇画・郷土の歴史
>>吉備人ブックス
▼吉備人選書▼時代を見つめるノンフィクション▼地域のくらしとともに
>>戦争・岡山空襲
▼教育▼子どもたちと一緒に▼健康・介護
▼ことばがひびく▼美術・工芸・芸術▼評論・小説・その他
▼デジタルコンテンツ▼私家版・他制作物


既刊紹介>>地域を知る

鉄道遺産を歩く −岡山の国有鉄道





■サブタイトル:岡山の国有鉄道
■著者:小西伸彦(吉備国際大学准教授)
■仕様:A5判 並製本 オールカラー
■頁数:265頁
■定価:本体2000円+税
■発行:2008年12月24日
■ISBN978-4-86069-213-1 C0065

■内容:
吉備国際大学准教授で近代化遺産の研究者・小西伸彦氏が、山陽線・津山線・吉備線・宇野線・因美線・伯備線・姫新線・芸備線……など〈鉄道遺産の宝庫〉といわれる岡山県内の鉄道遺産をくまなく歩き、紹介したもの。
駅舎、線路、トンネル、橋梁……積み上げられたレンガの一つひとつにまで染みこんだ鉄道技術者たちの汗と涙、住民の熱……。レールに連なるさまざまなドラマの数々に興奮と感動をおぼえる読者は、熱烈な鉄道ファンならずとも数多くいるのではないだろうか。


■著者紹介
吉 備国際大学准教授。1958(昭和33)年総社市生まれ。香川大学経済学部卒業。子どもの頃からの鉄道好き。2005年から産業考古学を本格的に取り組 み、現在、産業考古学会評議員。鉄道史学会、九州産業考古学会、日本民俗学会、日本の石橋を守る会、赤煉瓦ネットワーク、全国近代化遺産活用連絡協議会会 員。津山機関車庫、美作河井駅転車台、山陽鉄道姫路駅転車台、姫新線万ノ乢トンネルなどを調査。総社市門田在住。

■著者メッセージ
明 治には2回の鉄道建設ブームがあった。第一次ブームで山陽線、第二次ブームで津山線が開通。どちらも“私鉄”。民力がレールを敷いたのである。明治中期、 まだ輸入に頼っていた鉄道技術が、100年を越えた今でも現役で鉄道を支えている。われわれが乗っている列車は“明治”の上を走っているのである。列車の 中からではわかりにくい鉄道遺産だが、列車の目、観察者の目をして見たら、たくさんの明治や大正が見えてくる。職人が一つひとつ積み上げた煉瓦は時を越え て美しい。煉瓦ひとつにもたくさんの種類や積み方がある。花崗岩で築かれた橋台やトンネルは威風堂々。経年変化でみすぼらしくなるコンクリートとは大きく 異なる。時間をかけて造られたモノは美しい。金光駅のプラットホームでは数多くの古レールを見ることができる。規則正しく同じ形に曲げられたレールの織り 成すリズムは“優美”そのもの。昭和30年代まで、人々は古いものを大切にしてきた。古レールの再利用はその典型である。
  今は大きな鉄道ブー ム。軽快に走るカラフルな車輌に魅せられる人々も多い。しかし、熟練機関士が、ハンマーの音を頼りに点検して走らせた蒸気機関車には、独特の人間くささが ある。その蒸気機関車の借景となってきた鉄道風景には、失われてきたはるかな時間、懐かしい人々の記憶、あの日見た夢があふれている。
  鉄道遺産には派手な装いではない。地味でオタクな存在である。しかし、そこに込められているのは、先祖たちの築いた歴史や技術、そしてそこから生まれた美しさである。そんな遺産の価値に触れていただけたらこの上ないしあわせだ。


>>本のご注文