▼吉備考古ライブラリィ▼地域の歴史▼地域を知る
>>民話・むかしばなし
>>劇画・郷土の歴史
>>吉備人ブックス
▼吉備人選書▼時代を見つめるノンフィクション▼地域のくらしとともに
>>戦争・岡山空襲
▼教育▼子どもたちと一緒に▼健康・介護
▼ことばがひびく▼美術・工芸・芸術▼評論・小説・その他
▼デジタルコンテンツ▼私家版・他制作物


既刊紹介>>教育

耕さない教育





●書名 耕さない教育(タガヤサナイキョウイク)
●サブタイトル 人間力育成の切り札「不耕起教育」
●著者 洲脇史朗(スワキシロウ)
●発行日 2007年11月29日
●定価 本体1400円+税
●仕様 並製本 4色カバー付き
●判型 A5判  
●ページ数 157頁
●ISBN978-4-86069-184-4 C0037 Y1400E
●内容
強い稲を育てる農法に「不耕起栽培」というものがあり、注目を集めている。耕していない固い田んぼに苗を移植したとき,それまでに鍛えた苗ならば固い土のストレスに打ち勝って根を張ることができる。このとき苗は冷害や病害虫に強い形質を獲得する。これを稲の「野生化」といい,野生化した後は農薬を必要とせず,安全で美味しい米を実らせる。
この不耕起栽培は人間の教育にも大きな示唆を与えてくれる。子どもも厳しい環境のストレスに打ち勝って根を張ったとき,「人間力」という形質を獲得する。そしてそれまでに鍛えた子どもならそのストレスに打ち勝つことができる。
こうして構築した教育理念を、著者は「不耕起教育」と名付けた。
著者は混迷する教育のなかで、人間力を育成する切り札として、この「不耕起教育」を、全国各地で実践されている教育事例を紹介しながら提唱する。
●目次
第1章 不耕起栽培と教育
1. 「不耕起栽培」 との出会い
2. 我が国の教育の現状
第2章 不耕起栽培
1. 「不耕起栽培」 の発見とその特徴
2. 稲の特質
3. 「不耕起栽培」 の流れ
4. 生きものがいっぱい
5. 冬期湛水 (年間湛水)
6. 普及を妨げるもの
第3章 不耕起教育
1. 「不耕起教育」 とは
2. 「不耕起栽培」 と 「不耕起教育」 の対比
3. 不耕起教育の在り方
(2) 「成苗の完成」 と 「小学校教育」
(3) 「田植え」 と 「中学1年」
(4) 「分けつの完成」 と 「中学2年〜高校3年」
4. 「冬期湛水 (年間湛水)」 と 「地域の力」
(1) 学校の限界
(2) 「学校評議員会」 と 「コミュニティースクール」
(3) 地域の力
第4章 半不耕起教育
1. 半不耕起栽培
2. 半不耕起教育
(1) 半不耕起教育
(2) 半不耕起教育の例
第5章 不耕起教育の事例
1. 「稚苗作り」 と 「家庭, 保育園, 幼稚園教育」 の事例
(1) 大阪府熊取町のアトム共同保育園
(2) 千葉県木更津市木更津社会館保育園
2. 「成苗作り」 と 「小学校教育」 の事例
(1) 東京都足立区立弘道小学校
(2) 広島県尾道市立土堂小学校の山前校長
3. 「田植え」 と 「中学1年」 の事例
(1) 東京都府中市立府中第三中学校
(2) 東京都順天学園 (中高一貫校)
4. 「根を張る時期」 と 「中学2年〜高校3年」 の事例
(1) 宮崎県串間市立大束中学校
(2) 埼玉県草加市立松江中学校
(3) 岐阜県洞戸村立洞戸中学校
(4) 三重県伊勢市立豊浜中学校
(5) 東京都墨田区立寺島中学校
(6) 鹿児島県立川内高等学校
(7) 神奈川県横浜学園 (中高一貫校)
5. 「年間湛水」 と 「地域の力」 の事例
(1) 鹿児島市
第6章 不耕起教育とストレス
1. 「不耕起教育」 とストレス
2. ストレスとは
(1) ストレス反応
(2) ストレッサーの種類
(3) ストレス反応の方向
3. ストレスの重要性
(1) ストレス時の体内変化
(2) ストレス耐性
おわりに
[参考文献]
●著者紹介
洲脇史朗(スワキ・シロウ)
1948年岡山市生まれ。岡山大学大学院修士課程数学教育修了。
岡山県公立中学校教諭、公立高校教諭、倉敷市教育委員会学事主任・指導主任を経て現在は岡山理科大学理学部応用数学科教授。
数学教育、教育評価の論文を多数執筆。
著書に『算数・数学の理論と実践』(現代教育社)。
●推薦の言葉
新しい教育理念である「不耕起教育」は,私たちがかつて受けてきた学校教育を思い起こさせ,むしろ大変懐かしい思いがする。あの頃の教師は,直感で厳しく鍛えたり突き放したりしていたが,それでも「人間力育成」に大変な効果をあげていた。それをこの「不耕起教育」は,どの時期にどのような教育を行えば最も効果があるのかを明快に示しており,「人間力育成」の切り札になると確信している。
(坂田 岡山大学名誉教授)

>>本のご注文