炎女
1960年代のウイメンズ・リブ運動、70年代大切な人との死別、夫への反発……時代のうねりと絡み合い、「家族とは何か」「自立とは何か」を問い続ける。学業と仕事、妻、母として激動の人生を送ってきた著者の私史エッセイ。
― 人からは「炎女」と思われた私の人生は、炎のように激しいものだっただろうか。
私は62歳。備前に工房を持ち「手ひねりの備前焼」を業としている。
19歳でハンガリー動乱亡命者と国際結婚。彼は司馬遼太郎著『竜馬がゆく』のイメージモデルだった。東京で学生生活中に妊娠、二十歳でアメリカに移住、長男が誕生する。夫の学業、転職によってアメリカに7年、長女が誕生し、イギリス、次女の誕生、その後日本、ボルネオ、タイと18年で16回の引っ越しをしてきた。
子育てをしながら大学を卒業、備前焼の勉強も続け、1983年に備前に工房を建築する。穴窯を築き個展を主として活動。その間に夫との葛藤、自身のうつ体験、次女のコカイン中毒、長女、次女の結婚と出産、ニューヨークでのチャリティ個展……
「家族とは何か」「自立とは何か」異民族との結婚で幾度も考えさせられた。(はじめに)より
「ウイメンズ・リベレーション」運動は果たして私に、どのような影響を与えたのか。
亡くなった夫は事あるごとに、女性解放運動のせいで私の人格が変わったとなじっていた。
女性解放などと女性に拘(こだ)わる必要などない。要するに責任あるまっとうな人間に育つための、既成概念をいかに整理し、理解し、自分の身の丈にあった生き方を選び取るのか、解放という意味だと私は解釈したい。
人のモノサシではなく自分自身の尺度を持ち、健康な体と心を保つことを目標にして、
しっかり大地を踏みしめて生きることが、人として自由な究極の姿であるはずだ。(あとがき)より
内容
1960年代のウイメンズ・リブ運動、70年代大切な人との死別、夫への反発……時代のうねりと絡み合い、「家族とは何か」「自立とは何か」を問い続ける。学業と仕事、妻、母として激動の人生を送ってきた著者の私史エッセイ。
― 人からは「炎女」と思われた私の人生は、炎のように激しいものだっただろうか。
私は62歳。備前に工房を持ち「手ひねりの備前焼」を業としている。
19歳でハンガリー動乱亡命者と国際結婚。彼は司馬遼太郎著『竜馬がゆく』のイメージモデルだった。東京で学生生活中に妊娠、二十歳でアメリカに移住、長男が誕生する。夫の学業、転職によってアメリカに7年、長女が誕生し、イギリス、次女の誕生、その後日本、ボルネオ、タイと18年で16回の引っ越しをしてきた。
子育てをしながら大学を卒業、備前焼の勉強も続け、1983年に備前に工房を建築する。穴窯を築き個展を主として活動。その間に夫との葛藤、自身のうつ体験、次女のコカイン中毒、長女、次女の結婚と出産、ニューヨークでのチャリティ個展……
「家族とは何か」「自立とは何か」異民族との結婚で幾度も考えさせられた。(はじめに)より
「ウイメンズ・リベレーション」運動は果たして私に、どのような影響を与えたのか。
亡くなった夫は事あるごとに、女性解放運動のせいで私の人格が変わったとなじっていた。
女性解放などと女性に拘(こだ)わる必要などない。要するに責任あるまっとうな人間に育つための、既成概念をいかに整理し、理解し、自分の身の丈にあった生き方を選び取るのか、解放という意味だと私は解釈したい。
人のモノサシではなく自分自身の尺度を持ち、健康な体と心を保つことを目標にして、
しっかり大地を踏みしめて生きることが、人として自由な究極の姿であるはずだ。(あとがき)より
目次
はじめに
プロローグ
第1章 国際結婚
第2章 ニューヨーク・長男
第3章 カルフォルニア・陶芸との出合い
第4章 ニューヨーク・長女
第5章 イギリス・次女
第6章 東京・備前
第7章 ボルネオ・備前
第8章 ロンドン大学・バンコック
第9章 備前・初窯
第10章 生きる
エピローグ
前書きなど
私は62歳。備前に工房を持ち「手ひねりの備前焼」を業としている。
19歳でハンガリー動乱亡命者と国際結婚。彼は司馬遼太郎著『竜馬がゆく』のイメージモデルだった。東京で学生生活中に妊娠、二十歳でアメリカに移住、長男が誕生する。夫の学業、転職によってアメリカに7年、長女が誕生し、イギリス、次女の誕生、その後日本、ボルネオ、タイと18年で16回の引っ越しをしてきた。
子育てをしながら大学を卒業、備前焼の勉強も続け、1983年に備前に工房を建築する。穴窯を築き個展を主として活動。その間に夫との葛藤、自身のうつ体験、次女のコカイン中毒、長女、次女の結婚と出産、ニューヨークでのチャリティ個展……
「家族とは何か」「自立とは何か」異民族との結婚で幾度も考えさせられた。(はじめに)より
目次
はじめに
プロローグ
第1章 国際結婚
第2章 ニューヨーク・長男
第3章 カルフォルニア・陶芸との出合い
第4章 ニューヨーク・長女
第5章 イギリス・次女
第6章 東京・備前
第7章 ボルネオ・備前
第8章 ロンドン大学・バンコック
第9章 備前・初窯
第10章 生きる
エピローグ
著者プロフィール
- トロック 祥子
備前焼陶芸家
1944年愛知県生まれ。1963年19歳でハンガリー動乱亡命者と国際結婚。夫は司馬遼太郎『竜馬がゆく』のイメージモデル。東京での学生生活中に妊娠、20歳でアメリカへ移住。長男、長女を出産し、イギリスで次女を出産。その後、日本、ボルネオ、タイなど国内外を18年間で16回の転居しながら、国際社会のなかで「家族とは何か」「自立とは」を問い続ける。
アメリカで偶然出合った陶芸に支えられ、1983年に岡山・備前に工房を構え、穴窯を築き個展を中心に作陶活動を続ける。
岡山県備前市在住。2018年夏には米国サンフランシスコに帰国。
※上記内容は本書刊行時のものです。